スクリーンに「表彰式」の表示・・・・・最期の表彰。
陽は傾き、黄昏の中、表彰が執り行われる。
表彰を受けた馬も、明日どうなるかはわからない。
ベンツトラクターが、もうレースが行われることもないトラック整備をしていた。
不要であろうと最期の仕事を果たしたかったのだろう。
このトラクターは後日、競売にかけられ処分された。
急に緊張の度合いが高まる。何が起きるのか。
皆が皆、一方向を注視する。何だ。
市長が事情の説明を始めたようだ。
野次、怒号が飛び交い何を言っているのかよくわからない。
猛烈な抗議の中、早々に話は切り上げられた。
観客は更に怒り、解散するように呼びかける警備員の声には誰も耳を貸さない。
みんなが放送席らしい建物を見上げはじめる。
誰からともなく、声が挙がる。
「ヨッ、ナッ、ハー ヨッ、ナッ、ハー ヨッ、ナッ、ハー・・・・」
はじめ、何の意味なのか、よくわからなかった・・・。
しかし、その声に答えるように放送席が動いた。