山形駅周辺 十字屋山形店 5



十字屋に限らず、街角には様々な小道具があった。

その時代時代に必要とされるものが街のあちこちに配置され、それぞれの役目をこなしていた。

しかし、時代が変わるにつれ、人々の気づかぬうちに消えてゆくものもまた多い。


十字屋内部にあった道具たち




10円玉への両替機能が付いた赤電話


赤電話、黄電話、青電話、緑電話、10円用、100円用、そしてテレホンカード、ICカード用と、
   
公衆電話は数度に渡る代替わりを繰り返し、今はその存在そのものが許されなくなりつつある。

携帯電話の普及による、公衆電話不要論、また、それを具現化する各地の公衆電話機、BOXの

撤去。依然、割合的には公衆電話を必要とする層は居るのであるが、その層にも携帯電話への

乗り換えをせき立てるように急速に街角から公衆電話が消えてゆく。                





 
自販機で買うのがスマートな買い方だった

ガムはずっと昔、菓子店の店頭で店の人から手渡しで買うものであったが、その後手軽に街角で買えるようにと

専用の自動販売機が広く出回ったことがあった。数種のガムが、現物が見える機械の中に入れられ24時間買える。

しかし...一度自販機化されたものは元に戻らないかと思っていたのだが、ガムの場合は違った。店頭売りが主という

形に戻ったのである。                                                           

24時間営業のコンビニの影響もあるであろうが、なによりの原因として考えられることは、店がガムの集客力に再注目

したことにあるのではないかと思う。自販機がなければ人はガムひとつ買うにも店に足を運ぶ。ついでになにがしかの物を

買う場合もあるだろう。その売り上げは馬鹿にならない金額であるはず。わざわざ店からガムを切り離すことは、店の売り上

げを減らすことであったのだ。




立派なシートが付いている


ベビーカー兼用カートというものは、母親が子供をおんぶして町中を歩くことをやめたころから

街に現れた。かつては、デパート内であっても、幼い子供を母親がおぶりヒモで背負い、買い物に

連れて来るのは普通であったが、「おぶりヒモは胸の形を崩す」という説が一般的になると、急速に

子供をおぶる母親は姿を消した。代わりに現れたベビーカーはそのままでは買い物には使えないため、

買い物時の乗り換え用に、ベビーカー兼用カートが導入されていった。これは現在、広く、スーパー

などに普及したが、今のものに比べ、初期のもののほうが子供用シートが上等で座りやすそうに見える。






自販機の敵とされてゆく


冷水機もまた、デパートの各階にあったものである。階段を上る人も多かった頃は、階段の踊り場はオアシスとなり

のどを潤すための冷水機は必需品であった。しかしこれも経営側からよくよく見ると、衛生管理面でのリスクが大きく

そのうえ自販機等の清涼飲料の売り上げを落とす元になるということで邪魔者扱いされるようになり姿を消していった。

現在でもまだ僅かに見られるところもあるが、図書館や公民館など、営利に無関係なところに置いてある場合がほとんどである。



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