小さい頃からテレビのマンガはよく見ていたし、空想の世界はとても大切なものだと思っている。
しかし、該当するかたには申し訳ないながら、俗に言う「オタク」の世界はどうにも受け入れがたい。
かなり以前、宅八郎という不気味な男が「オタク」の代表としてTVに登場していた時期がある。
それは、彼が極めて特殊な存在で、TVに出す値打ちがあるほど稀少だと判断されていたから
であって、現在のように同種の人々があふれてしまうと逆にあえてTVで取り上げるほどでは無く
なってしまったのであろう。今、宅八郎をTVで見かけることはない。
旧ダイエー山形店の南東
一際目立つ ピンクの看板庇
アニメショップ=オタク向けの店 と決めつけることには反対の向きもあろうが、
あたらずとも遠からず、というのは誰も否定し得ないのでは無かろうか。山形に
このような専門店が出来たということはそれを支える人口が増えたということで、
「オタク」が日陰の存在から抜け出したことを意味する。実際、東京:秋葉原が
オタクの街と認識されるようになってからは大量の人が各地方から出向いて
大にぎわいだというから「オタク」タイプの人に対する拒否反応も、また、「オタク」と
呼ばれることに対する拒否反応も薄らいできているのであろう。あるいは誇らしく
思えるまでになってきている面もあるのかも知れない。何より、政府が外貨獲得の
手段としてアニメーション文化に注目しており、実際かなりの金額を稼いでいる事実もある。
看板替え
店内に踏み込むのはためらわれた
チェックのシャツにメガネ、デイパックを背負った小太りな青年。図ったように同じいでたちの
「オタク」たちの様子に、何か暗黙の申し合わせでもあるのだろうかと不思議に思っていたが、
最近ではそれもかなりバラエティに富んできているらしい。「コスプレ」といわれる主にアニメの登場
キャラクターへの成りきり行為。これが「オタク」ファッションに変化をもたらしたようだが、さらに
私の中では「オタク」に対する抵抗感を増大させる原因にもなっている。美少女キャラクターの
格好を同年代の少女がしているのならまだ理解できる。然し、明らかに3,40代の女性がその気に
なって扮している様子には「ご苦労様」と言いたくなってしまう。さらに驚くことには男が美少女キャラ
の扮装をしていることさえあるに至っては発する言葉さえ無い。
秋葉原で催されるマイナーなアイドルのキャンペーンに群がり、人目もはばからず「萌おうぇ〜え」
「○○(アイドル名)たぁ〜ん」などと叫ぶオジサンの姿に寒気を覚えるのも私だけではなかろうと思う。
窓は数々のポスターで塞がる
そうとはいえ、他人に迷惑をかけない範囲での個人の趣味である分には基本的には
自由であり、責められるべきことでも無かろう。しかし私が不気味に思うのは「オタク」
趣味がそこにとどまらない傾向が見えてきているからである。少女にメイドの格好をさせ、
「ご主人様」などと呼ばせて悦に入る。こんな不自然な行為がいつしか市民権を得て
しまったかのようだが、この行為が大きな勘違いに拡がり、数件の監禁事件まで生み出し
ている。架空の話やフィギュアに飽きたらず、実在の人間を生きたフィギュアにして
コレクションしようというのである。もちろん総数からすればこういうことを実行までするのは
ほんの一握りの例であるのだが、おそらくは同種の趣味を持つ人々の中にはこの犯罪行為を
表立って支持はしないものの内心はこれらの犯人に心理的同調をしている場合もあるであろう。
とはいえ、その率は決して多くはないことを望みたい。
2006年店舗閉鎖
2006年になって店が閉鎖したが、すぐ横の山交ビルに「アニメイト」という同業のテナントが入るという。
閉鎖、開店のタイミングからして「アニメっこ」が移転したものと思ったが、後日、読者のらんさんからの
情報で両者に関連はなく、むしろアニメっこがアニメイトの影響で閉店した可能性があるとのことだった。
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