山形県内には現在では遊園地として認識されている施設は上山市の
リナワールドしか残ってはいないが、1960−70年代には複数の遊園地が
各地に設けられ、それぞれ人気を博していた。
山形県が誇る観光地山寺。しかし、そこには中高年向きの見ものこそ沢山あれ、
連れられる子ども達にとっては積極的に足を運びたくなるような魅力は乏しかった。
それでも帰りには、五大堂付近からすべり台があり、参拝の帰りにはこれを上から
滑って帰るという、危険ながら子どもにとってはうきうきするようなイベントがあった。
石段を経ず一気に下る
しかし、それも設計の不備から来るけが人の発生により使用禁止になってしまう。
山寺芭蕉苑は紅葉川(立谷川)と仙山線を挟んだ対岸から山寺を一望する高台に作られた遊園地で、
飯田のハワイドリームランドと同じ昭和42年の開業であった。規模も適度で、山寺の観光を兼ねて
子ども連れが訪れたり、学校の遠足などでにぎわったりで初期の頃には結構集客があったようだ。
後ろにジェットコースターのレールが見える
ジェットコースター 観覧車 コーヒーカップ
当時の自動販売機
飛行塔
しかし、各地の遊園地が斜陽になるとともに芭蕉苑も元気が無くなってくる。
昭和五十年代半ばには閑散とした園内にガラガラとジェットコースターのひなびた音が
響くようになっていた。閉園がいつだったかもはっきり記憶してはいないが
昭和五十年代後半ではないかと思う。
平成元年には山寺芭蕉苑跡地に約20億円をかけて風雅の国が建設され
現在に至っている。今ではこの遊園地のことを思い出す人さえ稀であろう。
山寺芭蕉苑(芭蕉園)