円応寺の通りはだいぶ以前に拡幅されたが、その南側となる六日町〜旅篭町の通りの拡幅は延び延びに
なっていた。しかし、いよいよこの通りにも手が着けられ、昔なじみの建物たちがあっという間に消え去った。
栄文堂書店
市内にいくつかあった古書店の中で、最も近年まで建物が残っていたのがここかもしれない。最後の頃は
開店している日が少なく、いつでもやっているというわけではなかったが、古書店の雰囲気を十分に湛えた
昭和の香りがする店であった。
拡幅工事前の様子 かねか園と隣り合わせ
3階のようにも見える建物
建物そのものは取り立てて特徴のあるものでもなかったが、扱っているものが古書ということもあるのか
落ち着いた雰囲気が漂っていた。時間の流れがゆっくりしている感じがするのであった。
渋滞が目立ち拡幅もやむを得ない様子が窺える
時間帯にもよるのであろうが、たしかに車はひっきりなしに行き交い、この道幅では
足りなくなってきているのであろうということはわかった。利便を考慮すればやむを得ない
撤去ということになるのであろう。
建物正面
市内最後の古書店 積まれた古書
店内には書籍に限らず巻物や古い紙芝居などもあり、見ているだけでも
楽しめる空間であった。毎日多量に売れるような商売ではないだけに収益的にも
閉店はやむを得なかったのであろうが、またひとつ心の置き場が無くなった気がする。
栄文堂 2002年閉店