特集:銭湯

 

冨士乃湯

 

 

円応寺町、山形市立第五中学校の北側に、一見アパートにしか見えない銭湯がある。

と言うよりもアパートの1階が銭湯なのである。NTT前のカーブした道沿いの土葬墓地。

その奥にある建物に掲げられ、消えかけた看板をよく見ると、銭湯であることがわかる。

 

アパート兼銭湯

 

  

目立たない入口

 

中に入ってから男女が別れるのではなく、元々入口が別々にある。

一般住宅のような玄関を入って初めて銭湯らしい光景に出会える。

 

  

高さのある下駄箱

 

下駄箱は大きく、男風呂だけでも 4、50人分もある。それだけ人が入っていた時代があるのだろう。

 

 

 

  

脱衣所内は薄暗い

 

番台があり、係のおばさんもいるが自宅へ戻っていて留守のこともある。

それでもお客さんはごまかすことなく入浴料を置いていっているようだ。

 

  

毎日やっているわけではない

 

 

  

入るとすぐの所に水呑カランがある

 

 

 

洗い場

 

 

  

湯船

 

マリンブルーのタイルが貼られた浴槽には熱めの湯が満たされていた。

湯船は大きくはないが深い。

 

 

  

壁のタイル画

 

 

壁のタイル画は2面あり、入り口付近に 金魚、浴槽脇には銭湯名にもなっている富士の絵である。

いずれも薄暗い中、目が慣れないと本来の色はよく見えない。

 

 

 

 

   

脱衣所にある備品

 

風呂上がりに関係あるものが並んでいるが、牛乳入れはすでに現役を引退していた。

銘柄は、やはり富士である。赤い公衆電話のように見えるものは有料ドライヤー機。

10円玉ひとつで数分熱風が出る。こちらはまだ充分現役であった。

 

 

外目からはそう古く見えなかったが、この地で開業して38年だという。当初、付近に

建てられた公営集合住宅「スターハウス」が風呂無しの設計だったため、大勢の固定客が

有ったという。しかし次第にそれも減り、ここを知る人も少なくなった。重油高騰もあり、

採算も合わなくなっているが、それでも市の依頼で営業を続けてきたとのこと。

しかし、それも今年一杯。12月までの営業を終えると休業してしまうのだという。

 

残り少ない銭湯の灯が、またひとつ消えてゆく。

 

 

 

冨士乃湯  昭和42年〜

 

富士乃湯は予定通り2005年末に営業を終えました。

 

 

(topへ戻る)     (前のページに戻る)

 

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system