マルヰ製氷工場(北山形)
北山形駅西口の前に聳える工場。壁面に大きく「製氷」と書いてあったため製氷工場であることを
疑う必要はなかったわけだが、これが意外な事業の本体であることに気づく人は少なかった。
北山形駅西口前にあった工場
古色蒼然とした工場群は圧倒的な存在感をもって長年この地にあった。
氷を作るのにこれだけの施設設備が必要なものなのかと思えるほど規模の大きいものであったが、
設立当時の技術では設備もコンパクトにするのは難しかったのだろうし、冷蔵スペースも大きく採ってあるのだろう。
道を挟んで繋がっている
マルヰ製氷冷蔵 の木製看板
この工場は2005〜6年頃には解体されてしまったようだが、会社の事業が傾いてしまったわけではない。
それどころか単年度で200億円を売り上げる程の大成長中なのである。なぜなら製氷業に始まったこの会社は現在
○ZESTグループ(パチンコ&スロット) ○スロットタウン・エルパソ(スロット専門店)
○V&Cグループ
○山形ファミリーボウル(ボウリング場)
○ゲームプラザBe-in2(複合アミューズメント施設)
○カラオケランド遊大陸
○ビリヤードスポットCUE ○焼肉専科牛力
などを運営する一大事業を展開しているからである。
何故、製氷屋さんが現在パチンコグループなのかと思えるが、昭和21年に創業した時点では
製氷業は夏には需要が大きいものの冬期は仕事もなく閑散としており、空いている工場内に
パチンコ台を置いてはどうかというところから始まった事業であるという。パチンコ千代田城を
皮切りに、ボウリング、ビデオレンタル、カラオケ、インターネット等、時代の波に乗り続ける
事業展開を続けて本業のイメージからは遠く離れて成長してきたのである。「ZEST」のCMの
溢れる裏で、年商200億の達成を見届けるようにして製氷工場は静かに姿を消した。
1946(昭和21年)−2006(平成18年頃)