続 山形ニュータウン(蔵王みはらしの丘計画)
風光明媚なこの地が大規模開発地に選ばれたのは、思うところこのような理由である。
面積のわりに、退去させる住民が少ない。
地区の歴史が浅く、反対運動が強くは起こらない。
地価が安い。
蔵王駅の利用が見込める。
自然環境を売り物にできる。
掘り起こされた木の根たちが累々と横たわる 施工計画図
しかし、そんなに良いことづくめであったのなら既に優良住宅地として発展しているはず。
そうならなかったのにはやはり理由があるのではないか。
ここは、いうなれば小山の上。平地より雪も降るし、上がり下りの道も結構急である。
沼地も多く、埋め立てたとしても宅地として安定するにはある程度の年月がかかるだろう。
計画では7000人都市になるそうだが、果たしてどうなるか。
ブレーキをかけても止まらない凍結した急坂と、沼地跡の宅地を承知で求める人はよいが
それと知らずに住むことになる人たちを、県が騙したことにならないか。
そこが気がかりである。
小松原旧景
この地に合った、自然な暮らしとはこのようなものであった。
公民館脇の消防小屋 民家
葡萄棚に絡む昼顔 弥勒様と六地蔵様
今は切断された 柏木山へ下る道 柏木山古墓地 (オサヤヂ)
人間は常に開発を繰り返し、現在の生活を築きあげた。便利さを享受するのは当然の欲求である。
しかし、街になる前に別の姿があったことも忘れてはならない。
イタチやリス、ザリガニや、フナ、イモリなどを追い出して人間が住んでいるのだということを
心の隅に置いておけば、自然に対して少しは謙虚な気持ちで生活できるのではないか。