「Do it yourself」=DIY といういわゆる日曜大工の薦めをキャッチフレーズに
山形に姿を現したのは、運送業の日通が手がけたディスカウントショップであった。
昭和52年頃、白亜の2階建て店舗が山形バイパス青田地区に建てられた。
当時は向かい側にローズボウルはあったものの、現在立ち並んでいるような
外国車販売店やコジマ電機などはまだ無く、一際注目を集める存在であった。
日曜大工用品だけでなく、園芸用品、自動車関係、電器、衣料、靴まで扱う
いわゆる「よろずや」であった。店にない物は頼めば取り寄せてくれた。
荷崩れ品や大量在庫品、流行遅れの品などは格安で販売した。
まさに流通業者としての利点を最大限に生かした経営だったように思う。
しかし、同業の「ホームセンタージョイ」をはじめ取扱品個々のライバル店が
続々と現れるに従い、一時期の元気は失われていった。当初は扱わなかった
食料品も扱うようになり、再度の隆盛に努めたが近くにはヤマザワ松見町店も
あり、食品販売も伸び悩んだ。要するに何を扱うにも中途半端な状態になったのである。
2000年頃には店舗を閉鎖してしまい、その後は選挙事務所などに使われていた。
建物はその後テナントが入るようなこともなく建築以来30年を過ぎた。
再利用に見切りを付けたオーナーは土地を売却したようで、2007年頃
には白亜の2階建ては姿を消し、更地になった。跡地はビジネスホテルになるという。
日通マイホーム山形店 1977年頃−2007年頃