県の中心山形駅の僅か一つ隣とは言っても、北山形駅の周辺は
寂れた感じが強く漂ってしまっている。そんな駅前通りがまだ元気だった頃から
ここにあったヤマザワの古店舗である。(昭和44年開店)
現在のヤマザワ店舗は広い駐車場を備え、平屋のものがほとんどであるが
ここは庶民に車が充分普及する以前の設計であったということもあり歩道の
横がすぐ出入り口となる。徒歩での買い物ではむしろ、広い駐車場を歩き渡る
必要もなく現在の店舗設計よりも、かえってこのほうが便利であるといえる。
鉄道中心の生活を送る人が少ない山形にあっては、駅前は
意外に生活のしにくい場所になっている。山形駅はともかく、
近隣の蔵王駅、羽前千歳駅、漆山駅などを見る限り、鉄道駅が
街の発展につながるわけではないことを思い知らされる。
北駅前店の横壁には抽象壁画があった。昭和45年の開催万国博覧会で
岡本太郎の太陽の塔などが施工されていた頃の建築であるため
当時の流行芸術の影響があったものと思える。
建物の老朽化を理由に平成21年にこの店舗の閉店が明らかになったところ、
周辺住民が買い物難民になるということでヤマザワ側が折れ、1年間の営業延長
の措置が施された。しかし、代替え店舗の目処が付いたためか、平成22年3月末に
は北駅前店は予定より1年遅れの閉店となった。代替え店舗は平成24年7月に
ほんの僅か東方のハッピーミシン工場の跡に出来たヤマザワ宮町店となった。
昭和44年〜平成22年(1969-2010) ヤマザワ北駅前店